お役立ち情報

労使トラブルを事前に防止するために、また従業員が気持ちよく働けるように、経営者の方に是非これだけは知っておいて欲しい、最低限の労働法について解説いたします。

労働法のポイント

法定労働時間

1日8時間、週40時間を超える労働をさせる場合、2割5分の割増賃金の支払が必要です。

休日

労働基準法で定められているのは、週1日です。週休2日ではなくても、違反ではありません。また、祝祭日、年末年始が休みでなくても違反ではありません。慶弔休暇を与えるかどうか、日数、有給か無給か、休職を認めるかどうか等は、会社が任意に決めることができます。

残業・休日出勤

就業規則等に適切な記載があれば、残業・休日出勤は命じる事ができます。

有給休暇

パート・アルバイトにも有給休暇の付与義務があります。
有給休暇の時効は2年です

健康保険・厚生年金

健康保険・厚生年金は、会社等であれば、正社員の3/4未満の勤務時間のパート・アルバイトを除いて、全員に加入義務がある、強制加入の保険です。なお、従業員が4人以下の個人事業の場合は、任意加入です。

労災・雇用保険

法律上、労災保険は、個人事業・会社にかかわらず、1人でも社員を雇ったら加入義務がある強制加入の保険です。また、雇用保険も、個人事業・会社にかかわらず、週20時間以上、あるいは雇用期間が31日以上等の人に加入義務がある、強制加入の保険です。

健康診断

正社員の3/4未満の勤務時間のパート・アルバイトを除いて、年1回の定期健康診断を、会社負担で実施することが義務付けられています。

健康障害リスクと時間外労働

残業時間が月45時間を超えると、たとえば後で脳卒中等に発症した場合、その発症と時間外労働の因果関係はある程度あるということになり、月80時間を超えると、発症と時間外労働の因果関係は強いということになり、100時間を超えると、ほぼ時間外労働が原因と見なされます。発症は、長時間の時間外労働が原因で、最終的に、安全配慮義務違反による過労死である、とみなされれば、多額の損害賠償請求になる可能性があります。

解雇

解雇は、よっぽどの理由がない限り、法律上は無効です。トラブルになる可能性が高いのでなるべく行わず、どうしても必要な場合でも、まずは対象者とよく話し合って、自己都合退職等を勧める必要があります。

筆者について

経理部長 林 幹郎

独立支援を担当して10年。独立の相談からスタートアップ、起業後の財務診断のスペシャリスト。