会社にまつわる法律
民法
民法は、一般的な人同士のルールを定めた法律です。民法の規定によると、たとえば、契約は、契約書を作成しなくても、口約束で成立する場合があります。逆に、契約書を作成していても、内容によっては無効になる場合もあります。また、民法上は、他人の借金を保証することは、自分で借金するのと同じことになります。人にお金を貸した場合、貸したお金が、数年で、時効で消滅してしまう場合もあります。
会社法
会社法は、会社を対象とする法律です。会社には、責任の違いによりいくつかの種類がありますが、将来的に大規模な組織をイメージしている場合は、株式会社を選択されることが少なくありません。株式会社には、最高意思決定機関である株主総会や、業務執行を行う取締役が必要です。取締役には重い責任が課されており、損害賠償責任を負う場合があります。
労働基準法
労働基準法は、労働者が、使用者に対して弱い立場にあるという前提で、労働者を保護するために作られた法律です。そのため、労働裁判においては、一般的に、会社が不利な立場となるケースが多いです。そうならないために、最低限の労働基準法を理解し、就業規則などを整備して、労使双方が納得いくような環境づくりが必要です。
著作権法
他人のサイト等をどこまで無断使用してよいのか、ネット時代ではもはや必須の法律となりました。
現実には、たとえば、
・取引先と、あいまいな条件の取引でトラブルにならないように、受発注や支払等に関する契約書を作成する(民法)。
・会社を作って、株主と取締役を誰にするか決めて、取締役間で対内的・対外的な役割分担を決めて、株主総会で決議するべきことを決議し、取締役は業務執行を行う(会社法)。
・従業員の残業に関するルールを整備する(労働基準法)。
・自社サイトのデザイン等が無断で使用されたら、警告をする(著作権法)。
トラブルになってから弁護士に相談しても、取り返しのつかない場合もありますので、最低限の法律は経営者自身が押さえておく必要があります。
筆者について
経理部長 林 幹郎
独立支援を担当して10年。独立の相談からスタートアップ、起業後の財務診断のスペシャリスト。